― 森とともに、親子の関係が進化するとき ―
娘の自立は「喪失」ではなく、親子関係が次のステージへと進化するプロセスでした。
守ることから、信頼して手放すことへ。
それは、森が教えてくれた大きな学びでもあります。
1.一年という時間が教えてくれたこと
2025年の春、
娘・真優が中学校進学とともに屋久島を離れ、鹿児島の寮生活を始めました。
12年間、毎日そばにいるのが当たり前だった存在。
いなくなって初めて、その大きさに気づきました。
- 仕事をしても埋まらない
- 眠っても埋まらない
- 日常のどんな営みでも埋まらない
胸の奥が、きゅっと締めつけられるような感覚。
当時は「喪失」だと思っていました。
でも今ならわかります。
それは、関係性が変容する前触れだったのです。
2.森が教えてくれた「手放す」ということ
森の中で、私たちは木々を見上げます。
けれど同時に、木々もまた、静かに私たちを見ています。
木は、種をずっと枝に留めておきません。
熟したとき、自然に手放します。
手放すことは、失うことではない。
信頼すること。
親もまた同じなのかもしれません。
- 守る存在から
- 信頼して送り出す存在へ
それは冷たさではなく、
より深い愛のかたち。
3.久しぶりに再会した週末に感じたこと
先日、サッカー遠征で指宿に来ていた弟の応援に、真優も来てくれました。
短い時間の中で、私は彼女を
「守る対象」ではなく、
未来を自分で選び取る一人の人間として見ていました。
彼女は言いました。
「未来を描きながらする勉強だから、続けられる」
一人ひとり、生まれてきた理由がある。
比べなくていい。
あなたにしか歩めない人生がある。
鹿児島の駅の改札で振り返った目が、少し赤かった。
それは弱さではなく、つながりの証。
4.親もまた、自立する
子どもが自立するとき、
実は親もまた、自立を促されます。
私は今、
「守る母」から「信頼する母」へ。
娘の自立とともに、
私自身も、ひとりの人間として立ち上がっている。
そしていつか――
真優とともに、再びアフリカの大地に降り立つ日が来ることを、
どこかで確信しています。
森と生きるということ
森と生きるとは、
自然の循環の中に自分の人生を重ねること。
- 出会いがあり
- 別れがあり
- 手放しがあり
- 再生がある
寂しさの奥には、必ず誇らしさがある。
それを身体で知ることが、
森からの贈りものなのだと思います。
この気づきは、屋久島の森で過ごす時間の中でも、
何度も私に問いかけてきました。
カレイドフォレストは、
人生の移ろいの中で
「守る」から「信頼」へと移行する
その静かな時間を、ともに抱きしめる場でありたい。
森は、
いつも私たちの変容を、
黙って見守っています。




※カレイドフォレストのプログラムは、ANFT(Association of Nature and Forest Therapy)国際認定森林セラピーガイドがご案内しています。
屋久島の森で、五感をひらき自分に戻る時間を大切にしています。